2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

五重塔  (第43回)

臨時国会が始まった。与党は最新の改正草案を撤回するつもりはないと、幹事長が仰っている。まだ読んでいる途中の私としては、今ここで「やっぱし、やめた」と言われるのも困るが、このままの案で自信があると言われても困る。困った国、日本。 ところで憲法…

政教分離のこと  (第42回)

政教分離は、難しい。三権分立や平和主義や基本的人権といった日本国憲法の主たる理想・概念は、その憲法の下で生まれ育った者にとって、長年のお付き合いからくる実感として「無いよりも、有った方が、ずっと良い」ものだし、多くの国家において、共有され…

苦手な宗教のはなし  (第41回)

次なる第20条は、政教分離の定めとして知られているが、私には第9条に負けず劣らず扱いにくい条項だ。戦争の経験もないが、特定の宗教の信者になったこともないので、そもそも宗教というものの大切さ有難さというのが実感できない。 憲法に信教(この意味す…

個人情報アレルギー  (第40回)

今の日本人は、自らの個人情報やプライバシーの伝達・開示に過敏であると思う。確かにニュースをみていると、一向に衰える気配のない振り込め詐欺被害の報道や、大量の顧客情報が流出したとか、DV夫に間違って妻の住所が伝わってしまったとか、ストーカーな…

霧雨の千鳥ヶ淵  (第39回)

今回は、いつもの逐条の進め方から外れて、少し前に戻る。第13条について補足したくなった。例の「人として」に拘ったのはいいが、他の大事なことを言い忘れていた。そこに思い至ったきっかけの出来事から書きます。先日、千鳥ヶ淵の戦没者墓苑に行ってきた…

心の自由  (第38回)

私の愛読書の一つに、今は亡き神谷美恵子さん著「こころの旅」がある。神谷さんは精神科医であり、大学教授でもあったお方で、かつて皇后陛下が一時期ご不調の折(報道では確か失語症)、御相談役として任命されたほか、哲学書の翻訳などもなさった碩学であ…

自由なんて、本当の自由でないのなら、何も失うものがないのと同じこと  (第37回)

懸案の「改正草案」の第18条は、本当に同草案が現行の憲法を「改正」する意図があるのかどうか、疑わしく思えてしまうような内容だと感じる。まずは、久しぶりに改正草案のサイトを再掲しよう。お変わりなく、恙無きや云々。最後に関係者一同(推進本部や起…

公僕  (第36回)

頼まれもせずブログを書きながら、「疲れて来た」とぼやいている間抜けな私である。憲法の初歩的な勉強をしようという初心、および、そのために選んだ、現在の憲法と、たまたま見つけた自民党の最新改正案を比較検討するという手法は、適切なものであったと…

国会議員は公務員か  (第35回)

という疑問をふと持ったので、取りあえずインターネットで検索してみたら、現時点でこういう記事が出てくる。「憲法上は、国会議員も「公務員」であるといっても間違いないでしょう。しかし、常にそのように解釈されるというわけではありません。」と書いて…

法の下なら平等  (第34回)

お盆の季節に余力があったこともあり、本サイトはぶっ続けに更新し続けて来たのだが、だんだん忙しくなってきたので少しペースダウンしてきました。やる気が失せたわけではない。ここで、ちょっとここまでの検討を振り返ってみる。 いま憲法を改正しなくては…

人として?  (第33回)

中学三年生のとき、休み時間に同級生から、海援隊の「人として」という歌は良いぞと言われた。変なタイトルだなと思ったのを、はっきり覚えている。それに当時はレンタルCDがなく、一曲ずつダウンロードするなどという芸当もできず、結局、知らぬまま今日に…