2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

職業選択の自由は守られているか  【前半】  (第52回)

大学で経済学を専攻したし、そのあと営利企業で働いたから、報道でもネットでも政治の話題より、マクロ経済のほうに目が行くことが多い。今回は珍しく、憲法談義でありつつも、経済領域がテーマとなる。予めお断りしておきます。リニア新幹線を痛罵するので…

十月の出来事  (第51回)

10月20日に皇后陛下は、82歳の誕生日をお迎えになられた。遅くなりましたが、おめでとうございます。その後、「宮内庁の質問に対する文書ご回答」が公表され、今も宮内庁のウェブ・サイトに掲載されている。書き終えられたのは13日だったそうで、タイ国の故…

どこに住んでも良いのかどうか  (第50回)

第22条は、住まいと職業の自由に関する規定である。条文中の「移転」を広くとらえて、「移動の自由」と主張する人も少なくないようだが、種本の英文版を重視する限り、はっきりと住まいの変更と書かれているので、国語の教科書的には拡大解釈である。もちろ…

表現しない自由 邪魔する自由  (第49回)

今日は、次回に引き続いて、改正草案の第21条第2項を話題にする。血圧はまだ大丈夫で、しかも収まりがついていない。同項を再掲するが、念のため、新設の項であり、いまの憲法には無い。全く無い。 第二十一条 二 前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序…

公益及び公の秩序  (第48回)

今回は第21条。前回、私は無意識に「言論の自由」と書いたのだが、以下のとおり、この条文で定めている事柄の総体を表す概念は、よく耳にする言論の自由だけではなくて、正確には「表現の自由」だ。この条項も、複数回の勉強を要することになろう。では、い…

この道はいつか来た道  (第47回)

第20条に時間をかけている。ようやく最後の第3項にたどり着いた。これがまた追加変更が多くて、手ごわそうである。そういえば先日の報道で、この2012年の改正草案も、あまりに評判が悪いと判断したのか、一部の改編を予定しているというような記事を読んだ。…

祈りの声 蹄の音 歌うようなざわめき (第46回)

今週は柄にもなく忙しいため、今回は簡略に参ります。第20条の第2項。強制禁止を強調する異色の定めだ。この条項は、改正草案において変更点がないため、何が書いてあるかだけ確かめる。条文は次のとおり。第3項は次回に読むので、今日は略します。第二十条 …

神社合祀に関する意見  (第45回)

本は印刷物に限る。紙とインクの匂いは不可欠だ。というふうに、いろんな人に主張し、いろんなところに書いてきた。しかし、次の情けない理由二つにより、あっさり寝返った。一つは拙宅の書棚が本でいっぱいになり、置き場所がなくなったこと。もう一つは老…

宗教団体に政治上の権力を行使させたい場合  (第44回)

万一、ここに直接あるいは途中からお越しいただいた方々がいらしたならばお伝え申し上げます。ブログの最初に書きましたが、私は法律家ではないし、政治家でもないし、憲法の本やサイトも殆ど全く読んでいません。まずは誰の意見にも左右されることなく独学…