2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ケネディの大統領就任演説  (第12回)

本日は趣向を変えて、昔の人が言ったことを聴いてみる。幸い、ネットにはその画像も英文も載っている。1961年1月。私はその数か月前に生まれた。田舎者ぞろいの我が実家が長男の誕生を他愛なくよろこんでいたころ、前年の大統領選に勝利したジョン・F・ケネ…

英語の第9条  (第11号)

これまで私が「英語版の憲法」などと称して利用してきた資料は、首相官邸のインターネット・サイトに掲載されている。ご覧になりたい方は、こちらをどうぞ。日本国政府の紋章である五七桐の紋があしらってあるので本物でございましょう。公布の日付は11月3日…

その責任を負ふ  (第10回)

今回は、第一章の「天皇」の最終回。次に「戦争の放棄」へと移ります。天皇の章は、最後に現行憲法の第3条と第7条を対象にします。先に問題なく読めそうにみえる第7条をみる。国事行為の限定列挙(これで全部というリスト)である。 【現行憲法】第七条 天皇…

摂政と委任  (第9回)

革命で誕生した政権は、直前の権力者を悪者にせざるを得ず、ときには彼らが使っていた政治の用語さえ厭う。このため、前の前とか、もっと昔の制度名を持ち出すことがある。明治政府の場合、武家政治を建前上は捨て、皇室王族を担ぎ上げた。 このため、ずっと…

国事行為のみを行ふ  (第8回)

改正草案は新設の条項が多いこともあり、これ以降、同じ又は類似の条文であっても、通し番号が異なるものが増える。このため、逐一「現行の」とか、「改正草案の」と形容する。また、現行憲法は青字で表示する。 今回以降はしばらく、第一章「天皇」の中でも…

皇位の継承と元号  (第7回)

こうして、頭の中を整理しながら勉強しているつもりなのだが、全くの徒労に終わるかもしれない。もしくは、役に立つのもずっと先のことになるかもしれない。総理総裁が、憲法改正の議論はゆっくりやると言ってみえる。それどころか、安保法案のときの騒ぎを…

千代に八千代に  (第6回)

今回は雑談や、好き嫌いの話も交える。いつも堅苦しい文章ばかり書いていると、頭が疲れる。岐阜県の美濃地方に、揖斐川町という町があり、その西部にかつて春日村と呼ばれた山村がある。うちの親戚一同が暮らしている。山あり谷あり緑あり。ときどき山菜や…

元首とは何だ  (第5回)

前文に長居したので、そろそろ本文に入ります。その前に一言だけ。改正草案には、さりげなく現行憲法にはない「目次」も新設されている。正確に言うと目次は、約10年前の改正案の段階で、既に差し入れがあった。ただし、十年前にはなかった「緊急事態」とい…

日本国民  (第4回)

疲れが出た。憲法という大物相手に、下準備もせず挑むとこういうことになる。しかも、参院選の結果は改憲勢力とやら(変な名前)が、3分の2を超えたそうで、次はどう出るかと思ったら天皇陛下の「譲位」「生前退位」などという報道。たぶん観測気球のための…

前文のはじまり  (第3回)

日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し…

憲法は法律なのか  (第2回)

素朴な好奇心であります。憲法も他の法律も、法であることに異論はありません。それなのに、このような疑問を抱いたのは、前回引用した平成24年の自民党の改正草案を斜め読みしていたときのことです。第73条に内閣の職務が規定されている。 その中身に入る前…

憲法の改正について  (第1回)

これまで、別のサイトで書き続けてきた憲法についての話題などをまとめて、政治経済社会に関する新たなブログを開設します。ここからしばらくは、すでに公開してきた記事を背負って引っ越してきたものです。では、さっそく始めます。 しばらく前に、憲法を話…