2017-05-01から1ヶ月間の記事一覧

言いたい放題の理由  (第128回)

今回をもちまして、第五章の「内閣」が終わります。該当箇所について、いまの憲法と改正草案を併記します。最近、文章がまた荒れてきたので、今日はおとなしく済ませたい。【現行憲法】第七十四条 法律及び政令には、すべて主任の国務大臣が署名し、内閣総理…

総理と内閣の権限を増やしたいです  (第127回)

憲法第72条は内閣総理大臣の仕事、また、次の第73条は内閣の仕事を、それぞれ定めている。いまの憲法は以下のとおり。【現行憲法】第七十二条 内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部…

法三章  (第126回)

とにかく改憲したいらしい。私も、まずは一とおり今の憲法に目を通すという作業を、優先しないといけないと感じるようになってきた。前にも書いたような気がするが、極右の言論人の中には、憲法は国家の統治機構だけ定めればよいという主張がある。 統治機構…

シビリアン・コントロール  (第125回)

憲法第66条は、内閣の構成(第1項)と責任(第3項)という基本的な定めを示している条項であるが、本日は残る第2項を話題にします。改正草案が、主張したいことがある風情なのだ。【現行憲法】第六十六条 内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内…

第五章の内閣に進みますが...  (第124回)

歯切れの悪いタイトルで恐縮ですが、私の責任ではない。そのテレビ番組は観ていないのだが、新聞やネットの報道によると、我が内閣総理大臣におかれては、憲法9条に関し党内でしっかり議論して、今年中に改正案をまとめ、国民に示すと仰ったらしい。 ほんの…

いま忙しい  (第123回)

今回で「第四章 国会」の第一次独学を終わります。章の終わりに近いとはいえ、三権分立の支えとして重要な条項だと思います。【現行憲法】第六十三条 内閣総理大臣その他の国務大臣は、両議院の一に議席を有すると有しないとにかかはらず、何時でも議案につ…

証人喚問  (第122回)

【現行憲法】第六十二条 両議院は、各々国政に関する調査を行ひ、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。 改正草案は、変更なしなので省略。先日、久しぶりに、この第62条に基づく証人喚問があり、世間を騒がせた。テレ…

衆議院の優越  (第121回)

衆議院(下院)は解散の制度があるので、任期が短いから民意に近いので、参議院(上院)より優越するというウィキペディア等の説明ぶりは、これまで述べてきた理由により、本質論と結果論をごちゃまぜにしただけのもので信用に値しない。 そんなに最新の民意…

ひみつ  (第120回)

毎朝、シジュウカラの鳴き声が聞こえる季節です。今回は第56条と第57条。改正草案は、私がみたところでは第57条に変更はないので、第56条のみ引用します。【現行憲法】第五十六条 両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決す…

三分の二  (第119回)

こうして逐条で読んでみるのも時間の無駄ではなかったなと思うことの一つに、それまで「三分の二以上」が必要という条件がある定めは、憲法改正の第96条しか知らなかったのだが、これから何回か出てくる。 先取りして例示だけすると、第55条の議員の資格喪失…

不信任の決議  (第118回)

前回(第117回)の続きです。第54条の改正案を再掲する。今回は、その全条項案を記載します。【改正草案】(衆議院の解散と衆議院議員の総選挙、特別国会及び参議院の緊急集会) 第五十四条 衆議院の解散は、内閣総理大臣が決定する。 2 衆議院が解散された…

衆議院の解散  (第117回)

難題でございます。今回だけでは終わりそうもない。世間でも議論が多いらしい。さすがに憲法学者の中にさえ、ここは何とかしないといけないという意見があると、新聞で読んだ覚えがある。もっとも、このブログは法学を語る場所ではない。これまで世の中で学…

ただいま頭を冷やしています  (第116回)

しばらく更新をとめているのにはわけがあって、ただいま頭を冷やしております。理由は、ここに書く文章が荒れてきたからです。そもそも、憲法を知りたいという単純明確な動機で始めたのに、だんだん政治的になってきた。 今の政治が憲法改正に大きく傾いてい…

あたらしい憲法のはなし  (第115回)

「みなさんの中には、こんどの戰爭に、おとうさんやにいさんを送りだされた人も多いでしょう。ごぶじにおかえりになったでしょうか。それともとう/\おかえりにならなかったでしょうか。また、くうしゅうで、家やうちの人を、なくされた人も多いでしょう。…