2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

異常な法秩序に突入したこの状況  (第170回)

本日の題材にする書籍は、「『憲法改正』の真実」(集英社文庫)。憲法学者の樋口陽一と小林節の対談集。タイトルは、この本の序「はじめに」に置かれた、樋口さんの発言から採った。 本書はすでに読まれた方も多いかと思う。まだの方は、今からでも遅くない…

目的と手段  (第169回)

池上彰「超訳 日本国憲法」(新潮新書)という本がある。2015年4月20日発行。池上さんは、私の子供が子供だったころ「週刊こどもニュース」のお父さんをやっていて、日曜日の夕方だけは休もうと決めていたころだったため、ときどき観ていた。NHKがお長いだけ…

新聞雑誌が売れなくなったとき  (第168回)

最近は書評欄になっています。今回は辻田真左憲著、「大本営発表」(幻冬舎新書)。タイトルだけでは、憲法改正との関係が見えにくいかもしれないので、ブログのタイトルから補足を始めている。 すっかり日本語の慣用句とし定着した大本営発表。大本営そのも…

ガラスの地球を救え  (第167回)

もう一回、手塚治虫にお出ましいただく。「ガラスの地球を救え」は「光文社智恵の森文庫」から、1996年に刊行された。サブ・タイトルに「二十一世紀の君たちへ」とある。もっとも、手塚本人は発行前の1989年に亡くなっている。 青少年の時代に、私が大きな影…

一日一条  (第166回)

本日のタイトルは文庫本の副題で、その本題は「読むための日本国憲法」。東京新聞政治部編。東京新聞は、中国新聞の東京支社が発行する日刊の新聞で、他の地方の方々が読めるかどうか知らないのだが、ネットにもニュースを流しているので是非いちどご覧くだ…

憲法九条を世界遺産に  (第165回)

本を買おうかどうか悩んでいるときに、ときどき判断の材料にするのが、Amazonの「カスタマ―レビュー」の点数。レビューは余り読まないが、点数は経験的に、ずいぶんと参考になる。 具体的にいうと、お金ができたら買いたいなと思う本で、実際、読んでみて良…

「九条を読もう!」  (第164回)

前回から、自分が読んだ本の紹介を始めています。本日は長谷川三千子著「九条を読もう!」(幻冬舎新書)。著者は数年ほどまえから、何かとネットやメディアを賑わせてきたお方で、大学教授・哲学者。 右に大きく偏っている人には、ありがたい応援歌になりそ…

小さな本屋  (第163回)

しばらく更新を停めていました。個人的な理由によるもので、最近あまりに言葉遣いが荒れてきて、自分でも読み返すと気分が良くないというほどになってしまった。これでは、どんどん気が荒んでいくなと思い、少し頭を冷やしておったのです。世が荒れると、凡…